金融業界において、「ブラックリスト」というリスト自体は存在しません。では、いわゆる「ブラックリスト」とは、何をさしているのでしょうか。
たとえば、あなたがクレジットカードをつくる、ローンを組むなどの際には、顧客情報が「信用情報機関」に登録されます。しかし、ある一定期間返済が滞ったり、破産したりした場合、「事故情報(異動情報や延滞情報、ネガティブ情報ともいいます)」が登録されてしまいます。この情報が、「ブラック情報」、「ブラックリスト」と呼ばれているのです。
また、「事故情報」として登録されている状況を、「ブラックに載っている」と表現します一般的には3ヶ月以上の支払い遅延、1~2ヶ月の支払い遅延が何度もあるなどの「信頼を著しく損ねる契約不履行」があると、事故情報(ブラック情報)として登録される可能性があります。民事再生・自己破産・任意整理・特定調停・個人再生などの、法的な手続きを行って借金を減額したり、ゼロにする手段をとった場合にブラックリストに掲載されます。このブラックリストに登録された場合、対象者はキャッシングや新規のクレジットカードが発行でなくなり、「ショッピングローン」「自動車ローン」「住宅ローン」などの利用も一定期間(5年~10年)制限される事になります。
ブラックリストに載ったからといって、新規の借入ができなくなるだけでそれ以外に影響は全くないと言って良いでしょう。ブラックリストはあくまでも「個人の金融機関情報」ですので、ブラックリストに載ったからといって就職などが不利に働くという事もありません。また、勤務先に知られたり資格に制限が出るといった影響はありませんので、軽く考えるというわけではありあませんが、深刻になりすぎる事もないと言えます。ただ、銀行や金融機関に勤めている場合はこの限りではありません。ブラックリストに載るのは、貸金業者への借金返済が滞った場合だけではありません。例えば、奨学金の返済や携帯端末料金の月々の支払いが数カ月遅れたときにも、ブラックリストへ登録されてしまうことがあるため、注意が必要です。